top of page

​高血圧

高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧とがあります。

 

 本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質などが組み合わさって起こると考えられています。中でも、重要なのは、食塩の過剰摂取です。日本人の大部分の高血圧は、本態性高血圧です。

 二次性高血圧は、本態性高血圧以外で高血圧を主症状とする疾患のことで、高血圧から発見されやすい二次性高血圧として、原発性アルドステロン症や褐色細胞腫などの内分泌疾患、腎血管性高血圧などの血管疾患などがあげられます。睡眠時無呼吸症候群でも二次性高血圧を合併します。

 家庭血圧の重要性

高血圧学会のガイドラインで、高血圧の判定は、診察室血圧よりも家庭血圧にもとづくほうを優先するとしています。理由は、最近の研究で、心血管病(脳卒中や心筋梗塞など)の発症を予測する 方法として、診察室血圧よりも家庭血圧の方が優れていることがわかっ てきたからです。

家庭血圧は、朝・就寝前ともに

収縮期血圧/拡張期血圧の両 方: 135/85mmHg 未満であれば正常 

⇒ 原則として降圧薬による治療は必要ありません。

ただし、その場合も朝と就寝前 以外の時間帯も測定してみてください。 他の時間帯も 135/85mmHg 未満であれば降圧薬の必要がないと考えてよいでしょう。

注意:糖尿病とタンパク尿(+)の慢性腎臓病では 125/75mmHg 未満で正常(域)血圧となります。

 

 薬以外の対策

 

①本態性高血圧 :減塩、運動、肥満是正などの生活習慣の改善が重要

減塩、運動、肥満是正などの生活習慣を修正する治療法が基本となります。とくに、食塩は血液量を増加させて血圧を上げたり、心臓に負担をあたえるので、減塩することが重要です。肥満者における減量は血圧を明らかに下げますし、毎食野菜を多く摂取することも大切です。はじめは、生活習慣の改善による血圧のコントロールを試みます。改善しなかった場合、そこから薬による治療を開始します。

ただし、脳卒中、心臓病、腎臓病、糖尿病がある人、血圧がかなり高い人、心血管病の危険性が高い人は、直ちに薬による治療を開始する場合があります。

 

食事:

(ⅰ)減塩のコツ

  • 漬け物はなるべく控える。自家製浅漬けにして、少量にする。

  • 麺類の汁は残す。全部残せば2~3 g減塩できる。

  • 新鮮な食材を用いる。食材の持ち味で薄味の調理。

  • 具だくさんのみそ汁にする。同じ味付けでも減塩できる

  • むやみに調味料を使わない。味付けを確かめて使う。

  • 低ナトリウムの調味料をつかう。酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する

  • 香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する。こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる。

  • 外食や加工食品を控える目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する。

(ⅱ)カリウム、カルシウムの利用

野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります(腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があるので、主治医と相談する必要があります)。また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります

②二次性高血圧:高血圧の原因となる病気の治療が基本となります。特に、原発性アルドステロン症といわれる疾患は本態性高血圧と診断されているもののうち1割近くを占めるともいわれており、ケースによっては手術治療でなおることもあるので、当院では健診などで、高血圧を指摘された、方には投薬治療を開始する前に、心電図、及び血液検査にて、精査をおこなっております。

 薬による治療

生活習慣を改善しても血圧が下がらない場合、薬による治療を行います。血圧を下げる薬には色々な種類があり、その中から患者さんに合った薬を処方します。血圧のレベルや状態、その他の病気の有無などによって使用する薬を決めていきます。いくつかの薬を組み合わせて服用したり、服用する量や時間帯が薬によって異なることもあるため、医師の指示にしたがって、途中で自己判断でやめないようにしましょう。

高血圧を長期間放置していると、それだけ血管の傷みも進行し、いきなり脳卒中や心筋梗塞を起こしかねません。また、腎臓にも負荷がかかり、腎機能が低下することも懸念されます。健診で行う検査で、高血圧による長期の影響がわかることがありますので、これらの検査を受けることも大切です。日頃から家庭用血圧計を購入し、家庭血圧経過を記録し、定期的に腎機能の確認をする意味での血液検査を受け、体のメンテナンスを行うことが望ましいと考えます。

健康診断で高血圧の異常を指摘された場合には、お早めにご相談ください。

1622569_m.jpg
620427_m.jpg
アンカー 1
アンカー 2
アンカー 3
bottom of page